2025.09.28 09:00「すみからすみまで墨のおはなし」開催しました!9月27日(土)の午後、女子美術大学・杉並キャンパスにて「すみからすみまで 墨のおはなし にぎり墨体験ワークショップ」を開催しました。当日はよく晴れて、9月の終わりだというのに、じんわりと汗ばむような陽気。そんな中、10歳から81歳まで、実に幅広い世代の方々17名の皆さんが集まってくださいました。初めはみなさん少し緊張した様子で、静かに席...
2025.09.11 09:00正解はひとつじゃない教室で生徒さんから「先生、この書き方で合っていますか?」と尋ねられることがよくあります。古典やお手本で学ぶときには「正しい形」が確かに存在します。しかし、一歩進んで作品づくりに向き合うときには、話が少し変わってきます。そこには「ただ一つの正解」というものはないのです。もちろん、基本や約束事を無視してよい、という意味ではありません。正しく文...
2025.09.03 09:00当たり前を疑う今年も、学生の昇級・昇段試験の季節がやってきました。私の教室でも、生徒さんが一段上を目指して一生懸命にお稽古をしています。その姿を前にすると、私も自然と指導に熱が入ります。私が生徒さんの「お手本」を書くときに、心がけていることがあります。それは、自分が「当たり前」に書いている文字を疑うこと。長い年月の中で、誰もが知らず知らずのうちに自分な...
2025.08.12 09:00知れば、もっと知りたくなる 7月の終わり、体温を超える39度という信じられない暑さの中、大阪・関西万博に行ってきました。正直に言うと、出かける前はガイドブックを開いても、あまり興味が湧きませんでした。どのパビリオンが魅力的なのか、何を見ておくべきなのか、まったくピンと来なかったのです。結局、ほとんど予約も下調べもしないまま当日を迎えたのでした。ところが、会場に足を踏...
2025.08.04 09:00光る作品が伝えてくれること「暑いですね!」——今年の夏も、この言葉を何度口にしたことでしょう。言ったところで涼しくなるわけではないのに、つい口をついて出てしまう。最近の暑さには、本当にまいってしまいます。そんな猛暑のなか、学生の皆さんが一生懸命に仕上げた展覧会作品の審査会に行ってきました。これまで私は、作品を提出する側として関わってきましたが、今回はじめて「審査を...
2025.07.25 09:00心をととのえる時間先日、旅先で坐禅を体験しました。20分間の短い時間でしたが、いつもとは違う土地で、いつもとは違う空気の中で静かに座る時間はとても新鮮で、心が澄んでいくように感じられました。そのときに、坐禅には「調身(ちょうしん)・調息(ちょうそく)・調心(ちょうしん)」という三つの段階があるというお話を伺いました。まずは「調身」。身体の形をととのえること...
2025.07.08 09:00願いが叶いますように昨日は七夕でした。今年は令和七年七月七日のスリーセブン。いつもより七夕を意識された方も多かったのではないでしょうか。七夕は五節句のひとつで、「たなばた」または「しちせき」とも読みます。日本の「棚機津女(たなばたつめ)」の伝説と、中国から伝わった「乞巧奠(きっこうでん)」という行事が結びついて、今の形になったといわれています。私たちは子ども...
2025.06.26 09:00「ほんの少し」が変えるものまだ梅雨明け前だというのに、すでに真夏のような暑さが続いています。そんな暑さの中でも、日々頑張っているボクシング。少し前から、うまくいかないと感じていたことがありました。それは、右足でのミドルキックの強さです。左足では思い切り力が入るのに、右足で蹴るとどうしても全力が出せない。ミドルキックの際は、蹴る足と同じ側の手を上から振り下ろすことで...
2025.05.29 09:00肩の力を抜きましょう最近のレッスンで、生徒さんに「力を抜いてみましょう」と声をかける機会が増えてきました。練習する姿をじっくり見ていると、だんだんと筆を持つ手がぎゅっと固まり、肩が上がっている…。まじめに取り組んでいるからこそ、「もっと上手に書きたい!」という気持ちが、知らず知らずのうちに体に現れてしまうんですね。でも不思議なもので、そういうときに限って思い...
2025.05.23 09:00ひらがなの魅力先日のお稽古で、一生懸命ひらがなを練習していた生徒さんが、ふと「ひらがなって、かわいいですね」とつぶやいたんです。 その言葉が、後からじんわりと心に残りました。これまで私は、ひらがなは「形が取りにくくて難しいもの」として、生徒さんと一緒に向き合ってきました。でもそのとき、「そうだった、ひらがなってかわいいんだ!」と、忘れていた気持ちを思い...
2025.05.01 09:00臨書はカレー作りに似ている?先日開催された日本書研展にて臨書作品をご覧になった方、いかがでしたでしょうか。臨書にチャレンジしたくなりましたか?ところで「古典の臨書って、なんだか難しそう・・・。」と言われることがよくあります。古典の保存状態によってはかすれていたり小さくて見えにくいことがありますし、独特の筆遣いを筆跡から読み取ることは確かに難しいことですが、だからこそ...
2025.04.24 09:00今日の書は、今日のわたし現在放送中のNHKのドラマ『しあわせは食べて寝て待て』を、毎回楽しみに観ています。第4話で、編集者の青葉乙女と主人公の麦巻さとこが食事をするシーンがあり、その中で「ネガティヴ・ケイパビリティ」という言葉が出てきました。 “ネガティヴ・ケイパビリティ”とは、すぐには答えが出ないことに対して、不安や迷いを抱えたまま、それでもじっと待...