2026.05.01 09:00時には、遠回りをしてみませんか日々の暮らしの中で、私たちは無意識のうちに「最短距離」を探してしまっていることがあります。先日、教室で生徒さんの筆運びを見ているときに、ある心の動きに気づきました。それは、今書いている線の途中で、すでに意識が「次の線」へと向かってしまっていたこと。心が先走ると、筆先はどうしても近道を選ぼうとします。角を急いで曲がったり、次の線へ向かうため...
2026.04.01 09:00「教える」という名の学び教室を開設して、早いもので2年の月日が流れました。振り返れば、行きつ戻りつしながらの、ゆっくりとした歩みだったように思います。どんなお手本が心に響くのか。この運筆をどう言葉にすれば伝わるのか。一人ひとりの個性をどう引き出すべきか――。悩み、迷い、試行錯誤を繰り返すうちに、あっという間に過ぎ去った2年間でした。最近になって、少しだけ肩の力を...
2026.03.06 09:00学びには「順番」があるレッスンをしていると、生徒さんが急にできるようになる瞬間に立ち会うことがあります。先日までおぼつかなかった線が、ある日ふっと安定する。迷っていた筆の動きが、するりと滑らかに動くようになる。けれどその変化は、決して突然生まれたものではありません。アメリカの教育心理学者 ベンジャミン・ブルームは、学びには段階があると考えました。「Bloom'...
2026.01.30 09:00「上手くなる」を手放してみる「いつかうまくなるのかなぁ。」書道を始めてまもない生徒さんの口から、よくこぼれる呟きです。そう思う気持ちはとても自然で、かつての私も同じように考えながら書いていました。けれど今は、少し違う心持ちでいます。 本当に、目指すべきなのは“うまくなること”だけでしょうか。私たちは、何かを始めるときに無意識のうちに結果を求めてしまいます。...
2026.01.05 09:00新しい年に新しい趣味を新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。さて、新しい年が始まると、「何か新しいことを始めたい」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。中でも「新しい趣味を持ちたい」という思いは、新年ならではのものかもしれません。しかし、いざ何をしようかと考えると選択肢が多すぎて迷ってしまい、そのまま日々が過ぎてしまう...
2025.12.26 09:00展覧会に出品するということ12月の初めに東京都美術館で開催された「第60回書心展」に、私も出品しました。会期中、何度も会場に足を運び、ずらりと並んだ作品を前にしてあらためて感じたのは、展覧会に出品するという経験は、通常のお稽古だけではなかなか得られない大きな学びがある、ということでした。今回は、これから展覧会に出品してみようかなと考えている方に向けて、少しお話しし...
2025.12.12 09:00大人だって褒められたい最近、あなたは誰かに褒められましたか?そう聞かれて、すぐに思い浮かぶ人は案外少ないのではないでしょうか。大人になると、頑張っていることが“当たり前”になっていきます。家事も仕事も、人に頼られることも。「褒められるためにやっているわけじゃないし」と自分に言い聞かせながらも、ほんの一言誰かに「すごいね!」と言われた時の喜びを、私たちはよく知っ...
2025.11.28 09:00第60回書心展・第59回書心学生展のご案内私が所属する日本書道研究会では、毎年「書心展」「書心学生展」という公募展を開催しており、今年も12月4日から12月11日までの8日間の日程で、東京都美術館にて開催されます。書道展は各地でたくさん開催されており、その多くは会場で作品の閲覧をするのみですが、当展覧会では作品の中の漢字を探すイベント(小学生以下の参加者にはプレゼントがあります!...
2025.11.14 09:00思うように書けない時には思うように書けない──。そんな日は、誰にでもあります。もちろん私も日々感じていること。筆が思うように動かない、字の形がなんだかしっくりこない、昨日はうまくいっていたのに今日はなぜかバランスが取れない……。そんな時つい、「私には向いていないのかもしれない」とネガティブな気持ちになってしまいます。けれど、実はその“書けない感覚”こそが、成長の...
2025.10.30 09:00言葉のリズムと筆運び「坂本龍馬が、言いました。」 9月の自民党総裁選での高市早苗首相の演説で引用されたのは、龍馬が姉・乙女に宛てた手紙の一節、「日本を今一度、洗濯いたし申候」でした。演説の内容も印象的でしたが、心に残ったのは、その“言葉のリズム”でした。力を込めて言葉を放つ部分と、ふっと呼吸を置く部分。ゆっくりと語りながらも、わずかな間のあとにすっ...
2025.10.17 09:00菊の花、ひらく「菊花開(きくのはなひらく)」10月13日〜10月17日頃暦の上では、七十二候が寒露の次候に変わり、菊の花が咲き始める頃です。その名に導かれるように、10月10日、わが家の菊之助が旅立ちました。14歳の白い雑種猫。いつもどこかとぼけた表情で、テーブルの上でひっくり返ったり、洗い物をする私のそばでじっと見つめていたり。誰かの膝を見つけては、...
2025.09.28 09:00「すみからすみまで墨のおはなし」開催しました!9月27日(土)の午後、女子美術大学・杉並キャンパスにて「すみからすみまで 墨のおはなし にぎり墨体験ワークショップ」を開催しました。当日はよく晴れて、9月の終わりだというのに、じんわりと汗ばむような陽気。そんな中、10歳から81歳まで、実に幅広い世代の方々17名の皆さんが集まってくださいました。初めはみなさん少し緊張した様子で、静かに席...