新しい年がはじまりました

遅ればせながら・・・

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


東京は、お天気に恵まれた穏やかなお正月でした。私は特にお出かけもせずにのんびりと。今更ながら、ずっと見たかったドラマ「VIVANT」と「地面師たち」をコンプリートしました。まとまった時間がないとなかなか観られないので、おうち時間を堪能したお正月になりました。


さて、お正月明け早々に出かけた「現代書道二十人展」。毎年新春の目習いとして楽しみにしていますが、今年はある作品に添えられたひとつのキャプションに目が留まりました。

「何枚も書きつぶし、一枚を仕上げる。その繰り返しです。」

「書きつぶす」という言葉に、心がギュッとなりました。「何枚も書いて、」ではなく「何枚も書きつぶし、」と表現されたその先生の心の中を思うと、展示された作品の重みがずっしりと伝わってきます。こんなに偉い先生でも、一枚でサラッといいものが書けるわけではないのだ。書いて、書いて、紙が真っ黒になるまで書きつぶして、迷いながら悩みながら一枚を仕上げているのだ。。。


美しい表装に包まれた作品は、そんなことを微塵も見せない涼しい顔でそこに佇んでいますが、それは選ばれなかった数多くの「書きつぶされた」紙があってこそのもの。私が書に魅力を感じるのは、ここなんだなということに改めて気付かされた展覧会でした。


展覧会に出かけると、たくさんの素敵な作品に出会います。こんな作品を書いてみたい、次の作品はこの雰囲気を取り入れたい、あの筆遣いを真似したい、と夢が膨らみますが、実際に書いてみると何枚書いてもなかなか思い通りに書けることはありません。自分の力量に愕然とし、心が折れることも一度や二度ではありません。それでも、あの先生も紙が真っ黒になるまで書いているのだという事実に勇気をもらいながら、今年も一歩一歩、着実に前に進みたいと思っています。


新しい年は、新しいことを始めるチャンスです。たとえ三日坊主になったとしても、何かを始めることは「ゼロ」を「イチ」にすること。もしほんの少しでも書の世界に興味を持たれたら、新しい一歩を踏み出してみませんか。


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柚墨庵 Yubokuan

字を書くことが好きになる。 自分で書く字を好きになる。 ふだんの暮らしを、書のある暮らしに。 杉並の小さな隠れ家で 書のレッスンをはじめてみませんか。